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よく食べ、よく描き、ほどほどに読み、たっぷり眠る動物好きなOLの日記

死を悼む動物たち

死を悼む動物たち

動物系のドキュメンタリーで、母猿が小猿の死骸をいつまでも背負ったり、犬が死期の近い飼い主に寄り添ったりする映像を見るたび、動物にとっての死が気になっていた。

本書には明確な答えはなく、たくさんの例を挙げて、死を悼む、哀しむということが人間だけのものではないのかもしれない、というような内容。

人間は感情で、言葉でわかりやすく死を悼むことができるだけで(他の生物にとっては理解できないかもしれない表現で)、動物もちゃんと死をそれぞれのかたちで捉えているのだと思う。

感情的になりがちな「悼む」ということを、そうならずに真摯にまとめられた良い本だったな。

最後にこの一文が好きだったのでメモ。

人間がこれほど闘争的なのは、そんな闘争パターンが代々受けつがれ、本質として人間に根づいているからだとわたしには思えない。人類学者として世界中の人を対象に研究を重ね、しかも過去にさかのぼって調べてみても、人間には本質と呼べるようなものなどなにひとつとして存在しないと断言できる。取り巻く情況の変化に対して、遺伝子による影響が結びつき、その結びつきに応じて、行動や思考や感情のぎこちなさが薄れていくのが進化という財産なのだ。

ぎこちなさが薄れていくのが進化って、なんか良いなー。